ぽくつなです

Apple Watch を買って半年

去年の9月末に買いました。

Series 9 41mm シルバー GPS

発表を見るたびに欲しいなと思うものの、冷静に考えると要らないよな、という結論に行き着くので買ってなかった。常にスマホ持ってるでしょ。欲しい → 要らん → 欲しい というのを年1でやりつつ、ついに買ってしまった。

買ってからは便利で、風呂と充電以外は常に着けている。

生活をシャキッとさせたい

フルリモートなので家から出る頻度が減って、体力も落ちだんだん太ってきた。運動習慣を付けたいけど、無策では続けられないので記録を付けるおもちゃが欲しい。他にも睡眠や心拍など Watch で体をモニタリングして遊びたい。自転車に乗っていた頃は記録に楽しさがあった。サイコンつけるし心拍計も胸に巻いてた。変化が分かると成長が見えるし満足できる。

TODO リストをもっと生活に密着させる狙いもある。Things を愛用していたけど、ここ何年も活用できてなかった。今は仕事のタスクは仕事で管理するし、生活系は記憶に頼ってもなんとかなる。なんとかなるけど、サプリ飲むとか本読むとか買い物とか、それなりに忘れているので確実に遂行しつつ習慣を作りたい。

バンド選び

買う前にずっと迷っていたのはバンド。
欲しい → 要らん → ... のループの中でも、バンド決めるのが面倒くさくて離脱していた。

結局バンドはデフォルトのスポーツバンドにした。シリコン的なプニャっとしたやつ。

スポーツバンド

スポーツバンド Apple Watchのバンドを購入 - Apple(日本)

Watch を持ってる同僚の話を聞いて、 ブレイデッドソロループ > スポーツループ > スポーツバンド ぐらいの感じで、実物見て決めようと思っていた。しかし欲しさが最高潮の加速を使ってヨドバシで買ったので選ぶ余地が スポーツバンド or スポーツループ しかなかった。個別にバンドを選べるのは Apple Store か通販だけである。

ソロループ系は伸びるのを想定してサイズチャートより1サイズや2サイズ下が良いという真偽不明情報に惑わされて踏み切れないし、スポーツループの実物は思ったよりペラペラで、軽くて柔らかいのは分かるけど、タイトめに締めないと Watch の重さに対して慣性やズレが不快そうだなと見送った。

結果的にスポーツバンドで満足している。
サイズの穴は 3 つぐらい使い分けていて、

  • 4 運動などタイトにしたいとき
  • 5 普段使い
  • 6 洗い物したり干渉するとき

むしろ締め付けず使い分けれるのが良い。通気性はないので汗をかくと多少気になるけど、そのまま時計ごとじゃぶじゃぶ洗える。冬場は手袋やパーカーの袖口のリブなんかが干渉するのでやや鬱陶しい。

使ってみて

いろんなものが腕で済む

時間が分かって便利、とよく言うけど、たしかに常に時計とカレンダーが腕にあるのは素朴な便利さがある。

常に次の予定がぱっと見れる。特に出社した時など、ミーティングあるのは分かっているけど会議室どこやねん、と調べるのに何かを開かなくて良い。

MFA も腕で見れる。トークン入力画面が出るやいなや端末探したり席を立つ必要がないのが良い。MFA には Authy を使っていて iPhone アプリ側のがそのまま見れる。パスワード自体も 1Password から選択的に Watch へ送っておくことができる。

腕から Nature Remo により家電が操作できる。常に腕に付いてるので、布団の中で携帯探さなくて良い。 ズボラな用途だと、布団に入ったけど、何かが PC のスリープを止めているな...まぶしい...って時に時計から pmset sleepnow している。Shortcut.app で ssh するショートカットを用意しておくとよい。

地図が腕にあるのも悪くない。
見知らぬ場所に行くと、ポケットからスマホ出してロック解除して地図見て、という動作をかなり頻繁にやっていることに気づく。今まで Apple Map を使っていなかったけど、Watch との連携の良さから使うようになった。Google Map の Watch アプリは地図は出ないが、スマホ側で検索したルート(主に乗り換え)を Watch で見れるので使い分けている。カレンダーの予定に場所を入れる機能も Watch でルートをシュッと表示できるので入れると便利。

母艦との連携

iPhoneMac とのシームレスな連携がすごい。

iPhone 側のアラームは Watch も鳴って、Watch 側で止めれる、iPhone 操作している時に鳴った場合は時計は鳴らない、とかも大変良いです。外やマスク付けている時は Watch が FaceID より速く反応してロック解除できるのも良い。Mac のロックも解除できる。

通知も同期している。
これは良し悪しがあり、今までは iPhone にバンバン来る通知に対し、一覧を眺めて読み飛ばす運用をしていた。でもそのノリで時計で受けるのは鬱陶しすぎた。

最終的に id:cockscomb に教えてもらった時間指定要約を使って、いらねと思ったものを要約送りにしていくと必要なものだけ Watch に届くようになるし、iPhone 側は雑に受けつつ興味あるやつだけざっと見る運用ができた。

ただ iPhone 側の時間指定要約は、おしゃれなレイアウトで表示されるので、エッチな画像のレコメンドや YouTube のサムネがロックスクリーンに表示されうる。ロック中は通知を出さないようにしているが、携帯と一瞬目が合うと解除される。たまに気まずい。

Watch を買うと通知を整理する動機が生まれるし、Watch ユーザのほうが世のアプリのエンゲージメントが下がっているみたいなことが起きているんじゃないか。LINE の企業アカウントの通知とかも止めまくったし。

端末を超えて集中・睡眠モードが同期して動くのも良い。

あとここ数年ぐらいの iOS のアップデートの意図みたいなのがしっくりきた。ロック画面のカスタマイズがなんでこんな感じなの...と微妙に思っていたけど Watch と体験が共通になっているし納得感はある。

あと通知の持ち上げたとき周りの挙動がいいよね。
腕が震える → それを見ようとする → 持ち上げたの検出して表示開始、となっている。バイブレーションとアニメーションのタイミングがちゃんと別々。一定時間内に持ち上げない場合は通知センターに溜まっていく。もし通知と同時に表示すると、腕についているのでユーザがアニメーションの起こりを見れることはまずない。このあたりの体験が気を配られていて大変良いと思います。

かわいい通知

電池の持ち

自分の使い方だと、常時点灯で1日使って 40~50% ぐらい残る。100% から 40 時間ぐらい持つ。 丸2日は持たないが、充電せず寝てしまっても十分バッファがある。

カタログスペックでは 18 時間という不安になる数字だけど、かなり時計使いまくってる状態での試験やね。バッテリなんて得てしてカタログを下回る体験だけど、倍以上保つのは意外だった。

意外と持つ

充電面倒かなと思っていたけど、意外とそうでもない。
風呂に入る前に充電して、出てちょっと待てば満充電になっている。40%~50% 残った状態から1時間以下で満充電になる。45分で 0% → 80% のようで、実際そのぐらい。風呂の時間だけで 100% になれば最高なのだが...ちょっとは待つ必要がある。

充電自体より、ケーブルの管理が面倒。出張や外泊に持っていくものが1個増える。
サードパーティのケーブルはレモン市場感が激しく、急速充電言ってるだけだったり 5W 出てないものだったりする。そしてまともなものは MFi 取っていて高い。

睡眠の記録

睡眠トラッカーの AutoSleep が良い。

睡眠には、気絶睡眠モデルを採用しており、寝ようと思って眠ることはあまりなく、いつのまにか気絶している。十分寝たら意識を取り戻す。そういう暮らしを送っています。支障がないようウィンドウを広く取っていて、夕食後(20時) ~ 愛する妻が起きる(7時)まで、任意気絶する。

そういう感じなので、自然と10時間寝て元気なこともあれば、3時間しか寝てないこともある。記録が残っていれば眠かったり疲れてたりするのが睡眠不足かどうか切り分けられる。仕事の忙しさやストレスが睡眠に反映されているのも読み取れたりする。

夕食後に寝てない時期

気絶睡眠法の欠点として寝る前の準備というものができない。昔から Sleep Sycle を使っていたけど、iPhone に充電ケーブルを挿しつつアプリを起動して枕元に置く作業は難しすぎる。いびきを録音して聞けたりは大変楽しいのだが、意図して入眠する日だけ使える状態だった。

Apple Watch を使った睡眠記録には AutoSleep が良くて、いつ寝ても睡眠検出して記録してくれるし、起きたタイミングも勝手に残る。判定が間違ってると思うことはそんなにない。

特に「人間が寝るのは1日1回である」という非現実的な仮定を置いてないのがいい。複数回寝れるし記録が残る。 晩飯食べたあと床で30分気絶して、ベッドに這って移動してまた寝るとか、昼休みに30分寝るとか、朝飯食べたあとに二度寝するとか、現実には1日に何回も寝る。1回なわけねーだろ。

現実の睡眠活動

アプリの作りも、常にセンシングして頑張っている感じでなくヘルスケアのデータを複数突き合わせて活用している感じなのも好ましい。母機の iPhone いじってたらそれは起きてる時間だよね、とか。

リングやゲージの UI は特に分かりやすくはないです。

入力

意外とキーボード入力できる。

込み入った返事はやる気起きないが、ack 程度の内容や、TODO を 1 行だけ入力など時など普通に時計でやっている。音声入力も割と使う。

意外と入力できるキーボード

Series 9 なら使えるダブルタップは良いけどタイト目につけていないと反応がわるい。今のところ通知閉じるのと、料理中に手が汚れたままタイマー止めるのが主な用途である。

アクセシビリティの Assistive Touch を使うと、色々ジェスチャで操作できてなかなかすごい体験。一度やったほうがいい。それなりには大変だけど片腕でも一通りの操作ができる。手を2回握りしめる、とかにアクションが割り当てられている。
Apple Watch で AssistiveTouch を使う - Apple サポート (日本)

ダブルタップはプライマリのボタン1個押す程度のアクションしかできないので、普段もクレンチ(手を握りしめる)でセカンダリの動作ができるようになってほしいな。

運動

買ってから週に 2 ~ 3 回運動していて、意外と続いている。近所の坂の上の神社まで行って帰ってくる、約 40 分。

これ読んでインターバル速歩をやっている。

要は (ワーク:心拍ゾーン2以上を3分 → レスト:心拍ゾーン1を3分) * 5 をやれという話だけど、運動生理学の話がおもしろい。mol から消費酸素の体積計算したりした。知らない分野の教科書みたいな読後感。

世にアプリも色々出ているが、Apple のフィットネスで独自のワークアウトを作れて、心拍ゾーン外れたら通知したりできる。これ Apple Watch からしか編集できないようで、チマチマした作業が発生して面白い。

時計でワークアウトを編集する

作ったワークアウトは共有もできる。iOS で開くと Watch に追加できる。

https://storage.googleapis.com/pokutuna-public/interval-walking.workout

本で紹介されている運動は老人向けで、だんだんと心肺機能がマシになってきたのもあり、平地の早歩きでは心拍が上がらないので、普通に走り始めた。傾斜がきついところは歩いている。するとゾーン5も使う羽目になる。

それにしても VO2max が低すぎる、35 て。 痩せにくいと思っていたけどショボすぎないか、45 ぐらいには持っていきたい。一方心拍回復は 30 まで戻ってきた。

Watch アプリのつくり

アプリが全体的に割り切った作りものが多い。
Apple Map のルート検索の出発地点は現在地からのみ。出発地点や経由地を設定したければ iPhone からしろという割り切りは良いのだが、電車3路線アクセス可能な立地に住んでおり、なかなか狙ったルートで検索できないので時計から電車の時間調べるのは諦めてる。

アラームやリマインダーなど、リストに追加する系 UI の追加ボタンが一番下にありがちなのもツラい。「ヘイシリ n 分後に起こして」という指示を日々やっているので、アラームのリストはスクロールが苦痛なほど長くなっている。時計でも右上に "+" ボタン置いてくれよ。

ピークタイム

スマホ経由で通信する都合上、ネットワークエラーやタイムアウトに出くわしやすい気がする。やたらローディングのままだったり、タイムアウトした時にアプリをキルしないと何もできなかったり。

微妙なアプリの作りの悪さもありがち。
通知タップしても常にエラーしか出ないとか、Watch の Siri のサジェスト押した時の動作定義してないのか、最低限アプリが起動すればいいのだが謎のウィンドウが開いてくるくるするだけとか。

母機の iPhone を経由する遅延やリトライがそこそこある上に、状態を iPhone 側に保存していたら通信して読まないといけないだろうし、考えることが多く画面も小さくフィードバックも難しそうではある、その上ユーザは限られてるとなると力も入らない気持ちは分かる。

価値

収支

図にするとこんな感じ。

腕に時計を着け続けるのは明らかに邪魔なのだが、様々な便利さにより総合的には良い。
そして「何が便利なの?」 と訊かれて即答できない感じも分かる。

追記

あたりまえすぎてタッチ決済に言及していなかった。
時計で電車乗ってます。新幹線にも乗ってる。両手塞がっていても良いので便利だけど、左腕を右側のパネルにタッチするのは常々アホらしいと思っている。

まじめにやってくれ天気.app